こんにちは
今日は最近読んだ
『2030年 すべてが「加速」する世界に備えよ』
について、思うところを書いてみようと思います。
まず初めに、僕は「未来予測」というジャンルが大好き。
過去になされた様々な「未来予測」を、実際に当たったかどうか答え合わせするのも面白い。
幾つか例を挙げると
- Brexitの行方について、イギリスはEUに残ると予測/大前研一 (大前研一 2018年の世界) ← 外れ
- 地震についての考察/高城剛 (サヴァイヴ!南国日本 P72,73) ← 当たり
- 2025年中国共産党の終焉/ジャック・アタリ(21世紀の歴史 P145) ← どうなるか??
などなど。
それにしても、よくよく考えてみると今、2021年なんですよね、、、、、、
2021年!?!?
僕が子供の頃は2021年なんて本当に遠い未来の話で、それこそ「空飛ぶ車」とか、かなりベタな未来を想像していた気がします。
それがどうでしょう。
空飛ぶ車は?
そう言えば人型のロボットとかも、もっと普通にいると思ってたけど?
ASIMOはどこに行ったんや、、、、、、、
確かに現実の2021年は、僕が子供の頃に想像していたものとは違うものになりました。
とは言え、インターネットの普及やそれに伴った製品の進化、新しいテクノロジーのお陰で
「個人で出来ること」が昔に比べて飛躍的に増えたのもまた事実です。
これは僕自身、今こうして海外でフリーランス(最近会社化しました)としてやっていて実感するし、10代にして億単位を稼ぐYouTuberなんかを見てもよく分かると思います。
とにかく、歴史上最も個人の力が高まった時代に僕たちは生きているのでしょう。
以前のブログにも書きましたが、最近特にまた時代の節目というか、大きな変化の真っ只中にいると感じているのは僕だけではないはず。
さて、今回ご紹介するこの本は、今から少し先の2030年の世界について書かれたもの。
2030年と言ってももう9年を切っているし、おそらくアッという間にやってくる未来でしょう。
一体どんな世界になっているのか?
"進化するテクノロジーが、同じく進化する別のテクノロジーと合わさった時、何が起きるのか”
"(その「融合」の結果)かつてないほどの勢い(速さ)で空想が現実化する世界が到来する”
この様に、テクノロジーの進化と融合を趣旨に書かれた様々な未来予測。
「空想が現実化する世界が到来する」なんて、出だしからかなり興奮して読み進めました。
それでは以下、僕が興味を持ったトピックを中心に解説していきたいと思います。
「空飛ぶ車」は現実になる?
いきなりきました。
SF近未来モノの定番、空飛ぶ車です。
2021年現在、空を見上げても車は飛んでいません。
それがこの本によると、「全く新しい交通手段=空のライドシェア」に関するビジョンが発表されたのは2018年。
Uber社が開催する「ウーバー・エレベート」という年次会議の第2回目での事でした。
"ウーバー・エレベートの2回目の年次会議のテーマは、空飛ぶ車ではなかった。車そのものはすでにできていたからだ。今回のテーマはスケール化(規模拡大)の道筋だった。しかもその道筋は大方の予想よりはるかに短いものになりそうだった。それこそが決定的なポイントだ” (本文より)
3年前の時点でどの程度の車ができていたのかはわかりませんが、本書によると2019年半ばにはテスト飛行中の車両が1ダース程あったとの事。
そしてUberの目標は、2020年には空飛ぶ車の性能を世に知らしめ、2023年にはダラスとロサンゼルスで空のライドシェアを完全に事業化する事。更に「最終的には車を保有し、使用する事を経済的に見合わない行為にしたい」と考えているらしい。
2023年ですよ!!
2021年も残り2ヶ月、という事は実質1年ちょっとしかない。
2020年はコロナの影響で世界が一変しました。
その影響もあり、Uber社は2020年12月に「空飛ぶタクシー」の開発部門を米ジョビー・アビエーション社に売却。自社開発を断念しました。
さすがに今回のコロナで「2023年、空のライドシェア」という未来は無理になっただろうと思いきや、買収したジョビーは自社開発中の小型航空機を使った移動サービスを早ければ23年にも実用化するとしています。
これはかなり楽しみです!
そんな後1年ちょっとで、、、って考えてしまいがちですが、本書を読んだ後では普通に「あり得るな」と思ってしまいます。
なんせ「全てが加速する世界」ですからね^^
2024年8月追記:ジョビー・アビエーション社の電動垂直離着陸機(eVTOL)は、2023年にニューヨークで初めて飛行を成功させましたが、「空のライドシェアを完全に事業化する事」には至っていません。現在同社は、アブダビとその周辺でのエアタクシーサービスの確立と拡大を目指し、インフラ構築を進めているようです。
それからもう1つのポイントは、「車を所有し、使用する事が経済的に見合わない」未来が来るだろうという事。
これは車に限らず、多くの物が「所有」から「共有(シェア)」に変わっていくでしょう。
自動運転
お次はこれです。
テスラ車も最近よく見かけるし、こちらは空飛ぶ車よりも現実感が高いですよね。
このカテゴリーの最大のポイントはずばり、「データ」です。
テスラ社の車を、従来の車を見る目で見ていてはいけません。
もう、根本的に違うモノと言っても過言ではないでしょう。
あれはコンピューター(スマホ)が走っていると考えた方が良いかも知れませんね。
ガソリン車などの内燃機関とEV車の構造は違うし、車を構成するパーツの数もEV車の方が断然少なくて済むらしい。
気候変動の問題から脱炭素の流れは止まらないし、トヨタが幾ら「次は水素で」と言っても、もう世界的にEV化にどんどんと進んでしまっている。
2030年のトヨタは一体どうなっているのでしょうか?
やはり日本人としては、何かイノベーションを起こして生き残っていて欲しいですが、、、、、、
とは言え、盛者必衰は世の常。新しいテクノロジーが古いものに置き換わる時って言うのは、ある意味残酷なものですね。
では、新世代の「トヨタ」はどこになるのでしょうか?
今の所目立っているのは、やはりテスラでしょうか。
本書では、草創期の市場を支配しそうな会社にウェイモ(Google)をあげています。
そしてその理由として、先にあげたデータ量について書いています。
"自動運転車の走行距離が伸びるほど、多くのデータが集まる。そのデータこそが無人運転の世界のガソリンなのだ。2009年以来、ウェイモの車両の走行距離は1600万キロを超えた。(中略) このデータが重要なのだ。(中略) 情報が多いほどアルゴリズムはスマートになり、車は安全になる。このコンビネーションこそが市場を支配するための競争力になる” (本文より)
他にもアップルが車の開発を行っているという噂もよく聞くし、次世代自動車業界からは目が離せませんね!
2024年8月追記:Apple社の車の開発プロジェクト「Project Titan」は、2024年2月に中止が発表されました。
テスラの自動運転で起きた死亡事故や、システムエラー、欠陥などのニュースは確かに目にします。
それでも、いつかは自動運転が当たり前になるでしょう。
コンピューターの精度が上がり、インフラが整備されれば、「人が運転するなんて危なくてしょうがない」という世の中になる。
そしてこの変化がもたらす様々なメリットを、私たちは享受できるのです。
だって「運転しなくていい」という事を想像してみて下さい。
飲みに行って酔っ払っても、スマホで車を呼んで乗り込むだけ。
常にコンピューターが運転してくれるなら、スピード違反やその他の違反切符も切られる事自体が無くなる。
車の中で安心して眠れるとしたら、多少の通勤時間を割いても郊外の広い家に住む、なんていう選択肢も出てくる。
更にこの本によると、今日、平均的な自動車オーナーが車を使用する時間は1日の内ほんの5%に過ぎないらしい。
5%????
残りの95%は駐車場に止まっているだけ!?!?
その駐車場代に月々高いお金を払ってるんやけど!?
経済的にも利便的にも、ライドシェアにしない理由がどんどん無くなっていく。
よく考えてみると、僕自身いつの頃からかタクシーは使わなくなりました。
最初は少し抵抗のあったUberですが、一度使い出すともうタクシーには戻れない。
呼んだらほとんどの場合すぐに来るし、大体の料金も予約の段階で分かる。
アプリにクレジットカードが紐付けされているから、降りる時に財布を出して支払う、なんて手間も無し。
アプリで呼んで、来た車に乗り込み、目的地に着いたら車から降りるだけ。
今の段階では確かに運転手によって当たり外れがありますが、これが全て自動運転車に置き換わったらそんな事すらなくなります。
個人的には、この未来には少しでも早く来て欲しい^^
本書の予測通りにいくのなら、車の数は激減し、多くの駐車場が不必要になる。
それだけでも社会に与えるインパクトは相当なもの。
まだまだ書きたい事はありますが、とりあえず今回の記事はここまでにしておいて、続きはまた次回書きたいと思います。
この本は本当に読み応えのある本で、最先端の技術とそれら各々の技術の融合によって起こる「私たちの想像を超えて加速する未来」について、そう遠くない2030年を設定して書かれています。
量子コンピューティング、AI、仮想現実、3Dプリンティング、ブロックチェーンや材料化学。
テクノロジーが好きな人は勿論、そうでない人も、そう遠くない未来を垣間見れるこの本はかなり楽しめると思います。
興味のある方には、是非一読をオススメします!!
ではまた!!
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